標記書籍をご恵贈いただきました。本当にありがとうございました。
この書籍については既に多くの的確な詳細レビューがあがっており、Rユーザーにとって必読書であることは間違いないでしょう。この点について私からはこれ以上いうことはない、購入すべき書籍だと太鼓判を押したいと思います。
ですが、どうしても私の中で伝えるべきことがあると思ったのでまとめます。それは、この本を読み開くタイミングです。以降表現が失礼な部分があるかもしれませんし私の考えもうまくまとめきれていませんが、思いのまま綴らせていただきます。
本当に”初心者”向けなの?
多くのブックレビューでほぼ共通しているのが、「Rの言語について非常にわかりやすく丁寧にまとめられている」ことと、「Rユーザーの誰もが読んでも得るものがある」ことです。現に私は1年位前からRの言語としての基本的な知識不足により頭を抱えていましたが、この書籍を読むことでそのいくつかはあっさりと解決しました。「ああこういうことだったのか!」と思わず研究室や自宅で声をあげるほどに感動しています。
ただ、「この書籍はR初心者にもおすすめです」と書かれているのはちょっと加熱しすぎかなと思います。おそらくは想定しているRの初心者が結構違うのではないかなと感じます。
Rの初心者って?
そもそもRの初心者とそうでないものの境界って、どう線引できるのでしょうか。Rの使用で求められるスキルは一直線上ではないですし、また求める成果や目標もバラバラだと思います。ということはスキルの習得・未習得で線引をしようとすると混乱が生じると思います。
では「使い始めて◯年」といった時間的なものでしょうか。私が関わってきた方々を思い返してみると、「統計をベースにしてやってきた人」と「開発よりでエンジニアな人」と「その他」に大別できるかなと感じております。ということは、Rに初めて触れるタイミングで事前のスキルが異なります。エンジニアよりの方はプログラミングやコードに対して抵抗も理解も少ないでしょうが、統計ベースでやってきた人にとってはまずはコードによる操作になれるところからスタートになります。
以上より、不用意に「初心者にもためになるから読んでみてよ!」とすすめると「なんぞこれこれ読んでもチンプンカンプンだし◯◯分析のやり方が書いてあるわけじゃないじゃん…。もう◯◯◯◯でいいよ…。」となってしまい、折角の機会がなくなってしまうのではないでしょうか。
「R言語徹底解説」を読み開くタイミング
まず、筆者が想定している読者層は、第1章に明確に示してあります。
– Introduction · Advanced R.
– (第1章 翻訳公開版pdf)
これを見るにRプログラマを念頭においています。でもこの内容は一般的なユーザーに対しても豊かな知識を提供してくれますし、Rの挙動や仕組みを理解する助けになると思います。
私は、読み開くタイミングは「関数のコードに興味を持った時」じゃないかと思いました。「この関数ってどうやって動いているんだろう」や「なんでこれで動かないんだ、この関数どんな中身なんだよ!」と、中身が気になった時です。
Rはソースコードが公開されており、consoleで関数名に()をつけずにEnterを押せばそのコードが表示されます。ただ公開されているからといって、その内容や意味がわかるわけではなく、そのための知識が必要となります。この書籍はそのために必要なあらゆる知識を提供するものです。上に記したリンク先にも書かれているとおり、この書籍を読めばこれらのコードの意味を十分に理解して、読者のRライフをより加速してくれると思います。
まだRの内部に興味が出ていない方は、この書籍を購入しておいてその時を待ちましょう。Rの内部に興味があるもののコードが読めなくて辛い思いをしている方は、今すぐこの書籍を開きましょう。
私もこの書籍を読んで、徹底したいと思います。ありがとうございました。