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前回の更新からあんまり間隔なしで更新とは。
もう一度ブログ更新を習慣づけようっと。

今回は統計のお話で、テーマはタイトルの通り。
今回は考えをまとめながらTwitterにつぶやいたので、その内容をここに書きます。

まとめは以下の通り:
・交互作用項XMで見ているのは「線形な調整効果」
・調整効果は非線形も想定可能
・非線形な調整効果も重回帰分析で検討可能
・けど多重共線性ますます怖い
・資料少ないよ

具体的な内容は以下の通りです。

(1)重回帰分析で交互作用効果を検討する時、基本的には中心化された説明変数の積を交互作用項として投入される。実はこれについては重要な観点が欠落している(と言われることがある)。ここで見れる調整効果は「線形」であること

(2)具体的に言うと、説明変数をX、目的変数をY、調整変数をMとする(XとMは中心化済み)。このとき一般にXとMの積項XMを投入して分析しているが、この場合X→Yへの効果がMによって変化するのは線形となる。つまり傾きの変化はMに比例すし、「一定の傾斜変化」を想定している。

(3)ところが、調整効果は必ず「一定に変化する」とは限らない。例えばMを低・中・高と3水準想定したとき、Y→Xの効果がMが低あるいは高の時には傾斜は変わらないけれど、Mが高の時に変化するとするならば?この場合、単純な積項を投入してもうまく検出することができない

(4)なお、(3)のシチュエーションではある程度調整効果を検定で引っかかることはある。しかしその結果を基に高・中・低の単純傾斜を計算してグラフ化しても、線形の変化となってしまう。なぜなら±1SDでやっているのは「回帰モデルで出てきた式を基に、高・低のモデル式を計算しているだけ」

(5)交互作用効果で、よく±1SDで「高群・低群」と標記されるが、分散分析みたいにサンプルを分けている訳ではないのでこの言葉は不適切だと思う。ANOVAは群内平均(あるいは推定周辺平均)を出しているけれど、重回帰交互作用は回帰モデルから計算している。説明率以上の当てはめは禁物

(6)話を戻すと、つまりは調整効果を「線形」にしか想定してないモデル式だから、それ以外は検出不可能。ところがこれを検出できるのがANOVAとかでやってる「群分け→交互作用の下位検定」だったりする。独立変数を「高・中・低」の3群などに分割して下位検定すると拾える。

(7)となると、「重回帰分析での交互作用の検討は制限がある、ANOVAの方が様々なパターンを拾うことができる」という意見がでる。事実そのように言及しているのを何処かで見た気がする。ある部分ではこれはそのとおり。しかしこの指摘も不充分。

(8)重要なのは最初の方に指摘した「XM項は線形の調整効果を想定」していること。そして(7)での批判が不充分な点は、この突っ込みが暗に想定しているのが「重回帰交互作用は線形の交互作用を検討」しているという考え。だが、「重回帰交互作用は線形である必要はない」のです。

(9)つまり、重回帰交互作用でよく出てくる単純傾斜の部分 (b1 + b3M)X だけど、別に (b1 + b3M + b5M^2)X であっても問題ない。回帰モデルをそのように組み立てて分析を実行すればちゃんと出てくるし、Aiken & West(1991)でも5章に説明がある

(10)さらに言うなら、調整効果が線形ではなく非線形である場合も予測としてあり得ることだし、Baron &Kenny(1986)でもmoderating effectの例として色々紹介されている(されてたはず)。よって重回帰でも多様な調整効果を検討可能である。

(11)しかし分析可能であることと研究者が実際に用いるのは別問題。高次の調整効果を組み込むとなると投入する変数も増えるし多重共線性の恐怖が全速力でやってくる。だが心理学エリアなら3次もいらないだろうし、おそらく2次ぐらいまでで十分(てか限界)となるだろう。そもそも仮説で想定できん

(12)そもそも高次のものを含む交互作用項の分析方法を解説している文献なんてAiken & West(1991)以外で私は見たことないし、Webでも見かけない(自分で作りかけて休止中)。だからやりようがないってのもあるかもしれない(だったらさっさと書けよ、なんて言わないで)

以上です。
なお、Twitterの内容をそのままコピペした内容なので変な文章ですがご容赦下さい。

2 Responses to “重回帰分析の交互作用項と調整効果について”

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