思い立ってやってみました。あと基本自分用メモです。
経緯と基本情報
経緯
最近仮想マシン上でUbuntuを触ってみたりすることがあったのですが、モバイルノートではどうも仮想環境ではパワーが足りず物足りない日々を過ごしておりました。
そこで目をつけたのがVAIO P(VGN-P90HS)です。ネットブックとして導入したにも関わらずいまいち使えず眠っておりましたのでえいやぁとUbuntuにごっそり入れ替えることにしました。
マシンスペック
今回Ubuntu化するのはこのようなスペックです:
- CPU…Intel Atom Z540 1.86GHz
- メモリ…2GB
- ストレージ…SSD 64GB
- グラフィック…Intel GMA500 ←重要!
- その他…Bluetooth, WirelessLAN搭載, 英字配列キーボード
当時のネットブックとしては結構なスペックだったのですが、いかんせんVistaを載せるには厳しかった…
導入するOS
導入するOSはUbuntu12.04LTS。
なお今回はUbuntu Japanese Teamの日本語Remix版を使用しました。これは「Ubuntu Linux 入門キット(12.04対応)」に付属していたものを使用しています。採用理由は、最新版の13.04は動作がもっさりしたという経験と長期サポートが魅力だからです。
あと、Windowsは完全に消すことにしました。
同機種のUbuntu化に関して書かれた過去の記事に「復元できる環境を準備すべし」とありました。たしかにそのとおりだと思います。反省してます…こういうところをきっちりしないと、とは思ってはいます…
インストール
インストール前の準備
インストール前の準備としてまず過去データのバックアップですが全くもって不要でした。ほぼmopera状態でしか使っていませんでしたので。追加したアプリケーションもほとんどなし。
Webで情報を収集すると多くがUSBフラッシュメモリからブートさせてインストールする手法を採用していましたが、私の手元にはDVD-ROMがあったのでUSB外付け光学ドライブを接続して認識させました。これで準備完了。
Ubuntuのインストール
以下の手順でOSインストール自体はスムーズに進みました。
- VistaでVAIO Pを起動
- 外付け光学ドライブを接続→DVD-ROMをセット
- 再起動
- VAIO Pのブート画面でF11キーを数回押す→DVD-ROMから起動
- Ubuntuの起動用画面が出てくるので「Ubuntuをインストールする」を選択
- あとは指示に従ってインストールを進める
まず光学ドライブから起動するには、VAIO Pのブート画面でF11キーを数回押す必要があります。ブートメニュー(F2キー)でもいいのですがいちいち面倒だと思って。あとインストール中は適宜選択していったりユーザー名やコンピュータ名とかパスワードとか入力を求められます。このあたりは割愛します。
…本題は、この後です。この後のことをメモしたかったんです。
インストール後の問題とその対処
事前に調べた時に結構報告があったので覚悟していたのですが、やはり大変でした。
主な問題
主な症状は以下のとおりです:
- 起動すると画面がブラックアウトする(起動はしている)
- 画面が上半分しか出ず、オーバーラップする
- 解像度が合わない
- 液晶の照度調整ができない
- サスペンドが機能しない、ふた閉めると帰ってこなくなる
起動直後のブラックアウトについて
インストールが完了して再起動させるといきなり発生します(笑)
対処法
ブラックアウトした画面でCtrl+Alt+F2キー→Ctrl+Alt+F7でUbuntuのログイン画面が表示されます
これは根本的な解決策ではないのですが、このあとの問題を解決すれば解消されます。まずは先程インストールした時に設定したアカウントでログインしてください。
画面が上半分しか出ない、解像度が合わない
ログインできたと思ったらこれですよ(笑)
前の分と原因は同一で、GMA500との絡みとのことだそうです。ここからはターミナル(端末)も使いつつ作業します。
対処法
- 画面右上の歯車マークまで(なんとか)たどり着き、一旦ログアウト→ログインし直す→一旦ちゃんと表示される
- /etc/default/grubを編集する必要があるため、エディタなどを使ってroot権限で開く。例えば↓
$ gksudo gedit /etc/default/grub
とするとgeditが起動します。ヘタレですみません。
- GRUB_CMDLINE_LINUX_DEFAULTを探し、イコールの右を以下のように修正
GRUB_CMDLINE_LINUX_DEFAULT="quiet console=tty1"
- GRUBをアップデートして編集を有効化。以下のように実行する:
$ sudo update-grub
これらを実行すれば再起動してももうブラックアウトしないし画面がちらつくこともありません。最初にして最大の問題はこれでクリアできるはずです。
液晶の照度調整ができない
これについて解説してくれている記事を見つけたのですが、その通り実行してもうまくいかない…
致命的な問題ではないので先送りにしました。
サスペンド問題
VAIO Pを使う上で「蓋を閉めてもサスペンドしない、てか復帰しない」なんて致命傷です(笑)
対処法
- 権限付きで、/etc/pm/config.dフォルダ内にgma500というファイルを作成する。端末で以下を実行:
$ sudo gedit /etc/pm/config.d/gma500
- 中身はからっぽなので、以下の一行を記述して保存→終了:
ADD_PARAMETERS='--quirk-vbemode-restore'
- 動作チェック。以下のコードを端末に入力→サスペンドに移行→何かキーを押して復帰を確認:
$ sudo pm-suspend --quirk-vbemode-restore
ここまでのまとめ
以上でVAIO PでUbuntuが起動して動くようになります。結局のところこれらの問題はIntelGMA500というグラフィックアクセラレータとの相性によるところが大きいようです。証明の調整については各ベンダーに依存するところが大きいようで、結構いろんな所で情報があるのですが模索中です。まあ電源繋いでいれば致命傷にはならないのであまり気にしません。
ただ留意してほしいのは、どうもVAIO Pのバージョンなどにより上記の対策がうまく行かない場合があるようです。うまく行かない場合にはいろいろと情報を探してみてください。
なお、動作は(体感でですが)以前よりもかなりサクサクで嬉しいです。
次回は初期設定に関するところをメモしたいなぁと思いつつ、いつになることやら。