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はてなブックマーク - Ubuntu14.04LTSで自分の研究環境を準備してみる
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ついにメインPCをUbuntu14.04にしましたので記事にしました。

前提

まず私は心理系を専門としてて、仕事としては情報関連の演習・講義を担当しています。あと分析とかのお話が好きです。こんな自分における研究環境なので偏ったものになるかもしれませんが、他の領域でも参考になるのではないかと思います。

また、この記事はWindowsユーザーがUbuntuに移行することを念頭に書いてます(正確には完全移行ではないですが)。あと細かい操作や設定などは端折っている部分が多いです。これは人によって環境が違うためです。あと、「別にUbuntuだけじゃなくて他のディストリビューションでも言えるんじゃね?」と突っ込めるところが多々あると思います。多分そうなのですが他のディストリビューションをまともに使ったことがないのでこういう表現にしています。真の一般人なのでご了承ください。

なんでUbuntuなの?

よく金銭的なコスト面を取り上げる話が目立ちますが、私はあんまりピンときません。実際Windows環境で維持していくだけの予算は私自身有しているのですが、それでもなおUbuntuを選択しました。主な理由は以下のとおりです。

ソフトウェアの管理がしやすい

一番はここ。Windowsはソフトウェアの管理が非常にしにくい、てかすぐごちゃごちゃになる。ソフトウェア同士の依存関係とか含めるとすぐに悲しいことになるし、各ソフトウェアのバージョンアップもソフトウェアごとに独立している。「Windowsをアップデートしたら次はAdobeをアップデートして、そしてRをアップデートしたら・・・だあぁ!」ってよくなる。でもアップデートしないとセキュリティや安定性が問題になる。もうめんどくさい。

でもUbuntuならsudo apt-get updateからのsudo apt-get upgradeのコマンドを端末(ターミナル)で実行すればOKです。なおコマンドラインを使わなくてもソフトウェアの更新は可能ですし、デフォルト設定でちゃんと探してくれます。圧倒的にこっちのほうがいいです。

クロスプラットフォームなソフトウェアが多い

もともとはMacとWindowsの両方を利用し、またWindowsについては数種類のOSを使っていたため、ファイル互換性やソフトウェア対応などいろんな点で苦慮してきました。でもLibreOfficeやRなどはいずれのプラットフォームでも使えます。つまり気にしなくていいんです。これは多くの人と共有しやすいということも意味します。

サクサク動く

私のマシンがそれなりのスペックだというのもあるのですが、同一構成でWindows8.1も使ってみましたがUbuntuのほうが快適でした。あと例のタイル上のインターフェースや右端から持ってくるアレ、正直あわんかった。タッチパネルならまだいいけど。

マシンの準備

Ubuntuのマシンを準備するにあたり、選択肢がいくつかあります。なお導入やUbuntuの基本的なことについては、6月20日に発売されたこちらの本をぜひお買い求めください。

  1. 仮想環境を準備してUbuntuの仮想マシンを作る
  2. はじめてUbuntuを試してみるという方は、これ一択。Windows上に、あたかももう一台マシンがあるかのような環境が作れます。VirtualBoxなどのソフトウェアをすでに使っているWindowsマシンにインストールし、VirtualBox上にマシンを準備→Ubuntuをインストールでいけます。詳細は上で紹介した書籍を(ry

  3. メインマシンをデュアルブート環境にする
  4. 1つしかマシンがなく仮想マシンではなく実機にインストールしたい、でもWindowsを廃棄できない…という時の選択肢です。しかしながらあまりオススメはしません。なぜなら「同時に使うことはできない」からです。これだったらメモリを増設して1.を選択したほうがいいでしょう。事実私もしばらくそうやってましたしあまり不満はありませんでした。あと途中操作ミスるとWindowsがすべて吹っ飛びブートしなくなるとか笑えなくなるリスクがあります。バックアップだけはちゃんとしましょう。

  5. 新規に一台準備 & Windowsマシンをリモートデスクトップ接続
  6. オススメはこれです。まずは1.の仮想マシンである程度慣れたら一台購入し、チャレンジしてみるべし。そんなに高スペックなマシンでなくても大丈夫ではありますが、今後のことを考えてそこそこなスペックを準備するのがいいかと。またWindowsのマシンと同じネットワークに設置すれば、「リモートデスクトップ」で遠隔操作できます。これが非常に有効で、私はこれに落ち着きました。

まずは1.の仮想環境でUbuntuを遊んでみてください。VirtualBoxでの設定とかは以前記事にしたのでよかったら参考にしてください。あと、所属する研究機関によっては制限がかかる場合があります。機関の詳しい人にまず相談がてら確認してみることをおすすめします。(私に聞かれてもよその組織やシステムまで把握してないのでほぼ対応できないです)

周辺機器対応について

USB接続外付HDDとかはほぼ問題ないかと思います。プリンタについてはちょっと苦労します。EPSONのインクジェットプリンタをUSB接続ならあっさり行けました。CANONのカラーレーザー(LBP9100C)をネットワーク接続から使えるようにいろいろ試したが無念のリタイア。。。リモートのWindowsへファイルを送って、そっちで印刷するという運用にしています。その他の周辺機器については試していません。
このあたりは自分がまだうまく使えてないため、ノウハウが不足してます。情報ください…共有しましょう!

用途別ソフトウェアの紹介

多分ここがこの記事のメインなのかな。インストール方法及び細かい設定やテクニックについてはほぼ省略していますのでぜひご自身で検索あるいは検討してみてください。

ドキュメント作成

LibreOffice Writer
オープンソースでのOfficeスイーツ「LibreOffice」のドキュメント作成ソフトです。よくMSWordと比較されたり代替物として取り上げられていますが、Writerの特徴を掴んでWriterとして使うのがいいんじゃないかなって思ってます。個人的にはスタイル設定がしやすい印象で気に入ってます。このあたりの設定はこの記事とかこの記事を参考にしてください。
TeX(環境)
最近の主流はTeXLiveで一気に環境導入する流れらしいです。また後で紹介するR(及びRStudio)でpdf形式に出力する際にはTeX環境が必須となります。入れることができるなら入れたほうがいいでしょう。ますは代表書である美文書入門を紹介します。オンラインでは奥村先生のこちらの入門に情報があります。
その他
個人的にはMarkdown記法を用いてテキストエディタで作成→文書に起こす→編集、ということをちょこちょこやってました。
また、Rとその統合開発環境(IDE)であるRStudioで簡単にドキュメント作成が可能です。R Markdown記法を用い、分析手続きやレポート作成が実にスムーズにできます。またTeXと連携させることも可能です。出力ファイルはhtml形式やpfd、そしてdocx形式(最新版)も対応しています。このあたりについての国内書籍はまだ少ないですが、発売したばかりのこの書籍が評判のようです。私も買います。

スプレットシート(表計算)

LibreOffice Calc
上述のLibreOfficeでスプレットシートを扱えるソフト。Excel同様様々な関数が利用可能で、グラフもピポットテーブルもOK、そしてソルバーや統計関連もメニューにあります(この辺はまだ未検証…すみません)。ただまだ自分でそこまで使い込んでおらず、”Excel的な使い方を探してしまっている”のが情けないところです。もっと色々検証したいなと思うけど、集計や分析はR使っちゃうし…

プレゼンテーション

LibreOffice Impress
上述のLibreOfficeでスライド作成・提示するソフト。基本的なアイコンは上の2つと共通なので使いやすいかと思います。
その他
LaTeX環境で作れるプレゼンテーションとしてBeamerというのがあるようです。私は生粋のテフニシャンではない(pdfへの変換に間接利用がメイン)ので把握していませんが、愛好家の方は是非。
また、RとRStudioを使ってプレゼンテーションも作成可能です。html5をベースにブラウザでスライドショーを実行できるので、環境にほとんど依存しないというメリットが大きいです。そのうちこのブログの記事にしようと思っていたら上述の書籍が出たので出番なくなりましたね…

分析

R
私のブログに来るような方はほぼ間違いなくRを知っている方だと思ってますので省略します。大好きです。
Mplus
分散共分散構造を分析する有料のソフトウェアですが、実に強力なソフトウェアとのことです。某イケメン助教が「RとMplusがあれば我々が使うような分析はほぼできる(意訳)」と言っていたので間違いないと思います。なおLinux版は端末(ターミナル)より実行することとなりますが、その出力はRで読める形式にできるため綺麗なグラフィックが使えるそうです。これについては最近出版されたこちら書籍をおすすめします。よく売れているそうです。
その他
UbuntuではPythonが入っていますので、必要なパッケージを入れれば分析ができるはずです。

文献管理

心理系で多くの方が利用しているMendeleyもUbuntu14.04デスクトップに対応しています。詳しくは [ubuntu mendeley]でググってください。

クラウドストレージ

私の周りで一番使われているDropBoxは対応しています。SugarSyncは対応していません。もしVPSを運用している方はownClundでMyクラウドストレージを構築してみるのも手ですね。またMicrosoftのOneDriveも利用可能でOffice Onlineも使えます。ぶっちゃけこれがLinux上で一番MSOfficeのファイルを綺麗に開けたりする…

リモートデスクトップ

Ubuntuには標準でリモートデスクトップクライアントが入っています。したがって、ネットワークでアクセスできるWindowsマシンがあればそのマシンを使うことができます。
具体的に言うと「Windowsマシンの画面がこのUbuntu上に出せて、手元のキーボードとマウスで操作できる」ようになります。これで「Windowsを起動しないと非常にやりづらい作業」をこなすことができます。例えば地獄の業火で燃やしたい神エ○セルな事務書類を扱わなければならない時などはこれで解決できます。また以前Windows環境で使用していた過去のデータを引っ越さずにそのまま使えます。

ただし、このリモートデスクトップ接続が使えるようにするためにはWindowsマシンにセキュリティに関係する設定を変更する必要があります。またネットワークに関する知識(IPアドレスなど)も多少求められます。ネットワーク管理者や詳しい人(?)に事前に相談したほうがいいでしょう。

その他の用途

ブラウザやメールクライアント、マルチメディアプレイヤー、画像編集など大抵のことは十分にできます。どんなものがあるかは上述したこの本に取り上げられているのでそちらをご覧ください。

さいごに

なんだか書きながら誰宛の記事なのかわからなくなってきましたが、「Ubuntuで研究環境を準備してみるのもいいよねっ」という私の思いが伝われば幸いです。個別の内容については自分で試したことやよその記事・書籍の紹介とかで補填したいなって思ってます。しかしなんでこんなに長くなったんだろ…

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